ガチャッ


「…………。逃げて、きちゃった………。」


空は、ムカつくほど綺麗に透き通ってる。

「志乃の肌みたい。」

わたしの肌とは大違い。全部普通だ。髪も、制服も、話も………モテ加減も。

「ああ〜。俺の有ちゃん❤︎今日もかわいい〜。」

「この声は………。」


白野凛だ。


「俺の彼女は永遠に有ちゃん❤︎」

へー。彼女いたんだ。志乃、振られんじゃん。

こっそりとタンクの後ろをのぞくと、白野凛1人だけ。他の人は見えない。

「あいつ、1人で喋ってる?」

違うな。スマホを持ってる。

電話中?けどなぁ、そんなこまめなタイプじゃないでしょ。

近くに行くと、

画面に映っていたのは、

「二次元!?!?!?!?」

「そうだよぉ〜。二次元❤︎って………あんた誰?」

「加藤です。えっと、白野くんって、」

「ヤベェ……。見られたとか……。」

そう。画面に映っていたのは今流行りの二次元アイドル。

黒髪で控えめっぽい女の子の絵。

「白野くんって二次元オタク?」

「まぁ……そんなところ。だってさ、可愛くない?現実にいるそこらへんの女子と比べてごらん!?
このガツガツ来ない感じ。けど意見は率直。」

「はぁ、」

「というわけで……」

彼は、そう言って、

「お願いしますっ!内緒にしててくださいっ!」

土下座してきた。