遠くから見えた玄関の小さな明かりに、少しだけ泣きたいような気持ちになった。


 家に着いて、インターホンを押して、鍵を開けてもらって中に入る。

 いつも行っている動作というのは、頭が意識しなくても反射のように勝手に体が動く。

 ただいま、と挨拶をし、階段を上って自室の扉の中に入ってしまえば、私は簡単に一人になれた。