「……帰ろっか」

 首に手を当てながら、少しだけ目線は私から逸らされていて。

「……うん」

 それを私は視界の端に、捉えていた。


 私たちは反対方向なのでその場で別れ、帰路についた。


 一度、振り返った。


 白石くんの背中が、制服の時と違っていた。