白石くんは一度腕に強く力を入れてから、おそるおそるといったかんじで腕を放した。 放されて、今一度互いの顔を見ると、何故だか恥ずかしくて。 白石くんの頬にうっすら赤みがさしたように見えたし、私の頬も熱くなったからきっと赤いはずだ。 地元、しかも誰が見ているか分からない駅の前で、意外に大胆なことをしていたみたい。 ……と、今更ながらに思った。