【coat.】




「……山瀬……」

 少しかすれた白石くんの声が、耳からじんわりと、私の体の強張りを解いていく。


 ああ、私、白石くんそのものも好きだけど。

 白石くんの声も、好きなんだ。


 声が体に染み渡っていくとき、そう、思った。


 私、白石くんの、存在そのものに、恋してる。


 全部に恋してる。