「お昼に言い掛けたの、何だったの?」


 最寄り駅まであと2駅というところで思い出し、単刀直入に聞いてみた。


「え?」


 白石くんは目を丸くしている。

 覚えてたの、という驚きと。

 理由の見えない焦りが、瞳を揺らす。


「チャイム鳴ったときに言い掛けたこと。何だったの?」