「どしたの?」

「……いいや。じゃ、ね」

「? うん」

 未消化と言いたげな顔のまま、白石くんはゴミを持って教室から出ていった。


 何、言い掛けたんだろ。

 謎に思っていると講師が入ってきて、また授業が始まった。


 考え事はアルファベットに沈み、ばらばらにされ、いつしか姿が見えなくなった。