「何が書いてあった?」 不思議そうにしている白石くんに、何も言わずに紙を渡す。 黒曜石のような瞳は、文字を追って左右に揺れる。 何度か目を往復させ、困惑した影を瞳に宿したまま顔を上げる。 「要するに、スポンジと生クリーム使ったケーキってこと?」 「たぶん」 ティラミスみたいなのだったら、スポンジはあまり使ってない気がするけど。 というか、普通のケーキから見ると、かなり異色の存在だと思う。