【coat.】




「いやいや、すっごい嬉しい。でも、ほんとに食べちゃっていいの?」

 嬉しさと遠慮の混ざった黒い瞳が、私を見る。


 ああ、目って素直なんだな。

 目は口ほどにものを言うだなんて、昔の人はよく言ったものだ。


「お金なんて要求しないから」

 正直な瞳に、小さく笑ってしまった。

「じゃ、遠慮なくいただきます」

 白石くんはフォークを手に取り、手を合わせてから蓋を開けた。