【coat.】




 膝掛けがわりにしていたコートを肩まで引き上げ、膝を折り椅子に上げて潜り込む。

 目を閉じたら、守られているような気分になった。

「……ご飯食べないの?」

「食べるけど……」


 もう少し、このままでいたいんだ。


 見えない世界では、白石くんの声がすごく間近に感じられる。

 本当に、すぐ近くにいるような。


 本人を目の前にしてやることじゃないだろうけど。