今回の冬は、正念場だってわかってる。

 けれど、あまりの灰色具合に溜息が止まらない。


 口から漏れた息の塊は、冬風に掻き消された。

 イルミネーションを横目に顔を近付けるカップルの横を通る。


 その甘さに、砂、吐きそう。