「恥ずかしいから笑わないでよ……」

「だって、手形があんなにくっきりつくからさぁ」

 ガラス戸を見ては、笑いだす。


 そんなにツボか?


「急に閉まるんだから、しょうがないじゃん。もう、笑わないで行こうよ」


 肩を震わせる白石くんを引っ張って、駅に向かう。