「うそ、白石くん?」


「階段下りるとき、丁度鏡に映った姿が見えてさ。すっごい偶然」

 そう言って白石くんが指差した階段の踊り場には、大きな鏡があった。

 少し、息が荒いみたい。

 心臓が、忙しなく動きだす。