「……本当はさ、好きだったんだ。
彼女のこと。」

「えっ……彼女って……芽衣のこと!?」



今度は私が目を見開きながら先生の方に乗り出す。



「話の流れから分かるだろ。
……好きだったし、告白された時は嬉しかった。
だけど、田代さんの恋愛感情はきっと一過性のもので、会えない時間が増えれば俺のことなんか忘れるんだろうと思って、フってしまった。
実際俺の予想が当たってしまったよ。
まさか俺より早く結婚するとは。」



自嘲した後に、
グラスに注がれたお酒を一気飲みする。

先ほどよりも顔が紅潮している。