Even if ...【短編小説】

「正解かどうかは本人にしか分からないと思いますよ。
……でも、傍から見る分には幸せそうなので、
幸せということにしときましょうよ。」



八嶋先生が卒業式の日に好きだと伝えて2人が付き合ったところで、
その先も安泰だとは限らない。

フラれた当時は辛かっただろうけれど、
結果的には今の方が幸せになっているのかもしれない。

だから、人生って結果論だと思う。


そう伝えると、先生は納得した表情を見せた。



「そうだな。ようやく諦めがつきそうだ。
10年近くも恋い焦がれてたけどなー……。」



そう言うと、先生は残りを飲み干した。