Even if ...【短編小説】

今となってはその手紙の内容の8割は覚えていないが、
最後に書いた数文だけは覚えている。



『八嶋先生は私にとって尊敬できる先生でした。
先生がいなければもっと勉強嫌いになっていたと思うし、
第一志望の大学にも受かっていなかったはずです。

それと、実は八嶋先生のことを1人の男性として好きでした。
親身になって勉強を教えてくれたりたくさんお話をしたり、
時には相談にも乗ってくれたりしてくれる先生のことを気付いたら好きになっていました。

でもこの手紙を読む頃には、
私の友人である田代さんの気持ちも先生知っていますよね。
私はずっと自分の気持ちを隠して田代さんの恋を応援してきたけれど、
この手紙でだけは本当の気持ちを言わせていただきました。

私のためにも、田代さんが幸せになれる様な選択をしてください。』