Even if ...【短編小説】




─────時は9年前の高校の卒業式の日。

式と最後のHRが終わり、
みんなで卒業アルバムに寄せ書きをしたり写真を撮っている中、
私は一枚のメモと手紙を持って職員室前にいた。

昨日芽衣に、先生を呼び出して告白をしたいけれど直接呼び出せないと言われ、
私が代わりに呼び出しのメモを渡すことになった。


そこで私は一つの案を思いついてしまった。

これは親友に対してただ唯一のささやかな裏切りであった。



「八嶋先生。」



他の生徒と話し終えたところに話しかける。



「お。瀬上さん久しぶり。春からは進学?」

「そうですね。無事に第一志望に受かりました。」



推薦には落ちてしまったけれど、
何とか一般で合格することができた。