長い夜には手をとって



 伊織君がご馳走様と食器を重ねながら、たら~っと言った。

「結婚して約8ヶ月。出会ってから結婚まで早かったし、まだまだ新婚だから、二人でいちゃいちゃしてたいんだよ」

「ややややめてよ、ちょっと!」

「そうか、新婚・・・。何かエロイ響きだわ。うちの弟と凪が・・・うーん。そのように期待しといてなんだけど、複雑な心境・・・」

「綾~っ!」

 私がもう堪らん状態になってそう叫ぶと、流し台に腰を預けた伊織君がにやにやしながら言った。

「まあそんな喜ばないで、凪子さん。姉貴は無視して、お休み前のちゅーする?」

「しませんっ!」

 真っ赤になっての即答は、二人に爆笑されてしまった。


 もう遅いからと私が強引に引きとめて、綾と娘ちゃんは泊っていくことになった。香織ちゃんの入浴を手伝って湯冷ましを飲ませ、綾は階段を上がりながらしきりに感心して声を上げている。

「あらー、階段も緩やかにしたんだね~!これだったら落ちないわ」

「そう、全部伊織君がしてくれたんだよ」

「へー。あんた結構役に立つのねえ、伊織!」

「・・・姉貴よりは大分ね」

 改装した2階は、7畳の洋室と4畳の和室、それから収納になった。和室に綾たちの布団を敷いて、荷物を置く。そしてお休みを言ったところで、綾がにっこりと悪そうな笑顔で言った。

「今日は子作りやめてくれる?多分香織が夜泣きするから、私も眠りが浅いしね」

 私は絶句した。