2月にもなると、流石に少しずつだけど日暮れは遅くなってくる。前までは夕方の4時もすぎればカーテンが必要かな、という程度に暗くなっていたのに、5時でも大丈夫になったりして。
お昼を幸せに過ごしたあと、ついでにと飲んだビールがきいて、私はソファーで眠ってしまったらしい。
喉が渇いて目が覚めて、それまでのことを思い出した時にハッとした。
・・・あららー!!ちょっとここで寝ちゃったらダメじゃん!もしかしたらまた伊織君が寝顔ショットを撮ってしまってるかもしれないし――――――・・・
私はガバッと起き上がった。その拍子に体にかけてあったらしいブランケットがずり落ちてしまう。
「・・・あ」
伊織君だろうな、かけてくれたんだ・・・。私はまだ若干寝ぼけたままで周囲を見回した。今何時?・・・あ、4時半過ぎ。で、伊織君はどこに?・・・あ――――――――
「・・・君も寝てたんだねー・・・」
ソファーを壁際に押し付けてスペースを作り、そこに伊織君用の布団をしいている。その上で自分は毛布もかけずに、彼も眠っていた。
・・・おーい、風邪引きますよー。
私は静かにソファーから下りて、冷蔵庫を開ける。水を取り出してゆっくりと飲んだ。
散らかったままの食卓。転がったビール缶。楽しいことの残像がまだ揺らめいているようで、私はコップを持ったままでじっと突っ立つ。
・・・楽しかったなー、今日は。いっぱい笑った。気分が良かった。



