「何を言っとるんだ、季龍。この子は前からそうだろう」

「え?」

「?」

前からって、やっぱり私この人に会ったことあるの…?

いつ?いつ会った!?ヤバイ全然覚えてないっ!!

記憶を必死に手繰ってるけど、掠りもしない。えぇ、どこで会った?そしてそんな印象に残るようなことした…?

「…まさか季龍、お前忘れたのか。あんなに…」

「?」

「…?」

季龍さんのお父さんの声で我に返る。

え、私季龍さんにも会ってるの…?思わず季龍さんを見ると、視線がバッチリ重なる。

…全然覚えてないです。

見つめあっていると、季龍さんのお父さんは突然笑い出す。驚いて見ると、季龍さんのお父さんはそうかと言って、季龍さんを見てニヤリと笑う。

「お前は自分で思い出せ。そうしたら、この子が誰か思い出すだろうからな」

「はぁ…」

「キミは明日思い出話でもしようかの。コーヒー、頼めるかな」

「コクッ」

気に入ってくれたのかな。ちょっと嬉しいです。

その後、戻ろうとしたら引き留められ、梨々香ちゃんも交えて学校のこととかお話を続けました。