『“違うなら、私が解いても構いませんよね?”』

「っ!?」

さてどうする?否定をすれば、自分はセクハラをしていたと認めることになる。

あ、選択肢なんかないか。ギリギリと鋭い視線で私を睨み付ける先生。

立ち上がって黒板の前に出ると、チョークを持って書き始める。

「葉月さん。間違っていたら授業妨害として指導しますからね」

おー、そう出るか。権力使いまくりですね。あー楽し。

とりあえずスルーで書き続け、終わり!チョークを置いて手を払って先生を見る。答えを見ていたのか、唖然してた。

「…う、うそ。センターの正当率が一番低い問題なのに…」

「え?」

「マジか…」

「…そんな問題がこの単元で解けんのかよ」

ボソッと呟いた先生の言葉に、ざわつく教室内。でも、季龍さんが発した一言に先生のは急に我に返る。

「と、解けますよ。もちろん」

「琴音」

説明しろってことかな。タブレットが手元にないので、黒板に書いた途中式の3分の2をくるっと丸で囲み、大きくばつをつける。