「あら、分からないの?それならそう言ってくれればいいのよ。さぁ、黒板に向いて」

ニヤッと(多分)笑ったらしい先生は季龍さんに近づく。季龍さんの表情は険しいのに、そんなのお構い無し。

そして、季龍さんは諦めたように背を向けると、先生が季龍さんの手を掴み…。

「ひぃっ」

「やだぁ」

女子が悲鳴あげるって何?

それはいいとして、もう見てらんない。憂さ晴らしついでに遊んでみよう。

『“先生、それ私に解かせてください”』

音量最大にして再生すると、教室に響き渡る大声並みの音量になっちゃった。

もちろんその機械声に驚いて振り返る先生と季龍さん。ついでにクラスメイト。

タブレットを見せながらニコッとしてみる。

「あら、見ない顔ね。転校生かしら。せっかくだけど結構よ。黙って座って…」

『“そんなに季龍さんに触れたいんですか?セクハラ教師ですか?”』

「なんですって!?」

挑発してみるとすぐに顔を真っ赤にさせる。あはは、チーク塗らなくても十分じゃん。