「琴音、ニンジン」

「“ありがとう”」

使いかけのニンジンをもらって、麻婆豆腐作りを再開。奏多さんも止めていた手を再び動かし始めた。

黙々とそれぞれの担当をこなしていく。30分して梨々香ちゃんが手伝いに来てくれて、奏多さんと便利グッズを取り合いながら餃子を包んでくれた。

「琴音、味見」

「…コク」

「ん。…で、いつまでやってんすか」

麻婆豆腐が出来上がったのとほぼ同時に暁くんがスープを作り終える。

味見を終えて、完成したのはいいけれど、暁くんが視線を向けたのは奏多さんと梨々香ちゃん。

半分くらいしか終わってない。と言うのも、便利グッズがないとできない2人だか
2人いても1人分の力にしかならなってない上に便利グッズを取り合ってるから全然進まない。

というわけで、暁くんと私も参加して、結局みんなで仲良く餃子を包んだ。