私のご主人様Ⅱ


用もないのにトイレに入り、教室に帰ると、丁度先生も来てくれた。

すぐに休み時間は終わり、高崎さんに声をかけられることもない。

課題が一気に回収され、明日からのことが連絡される。

「明日は丸1日テストを行います。明後日からは通常授業です。休み明けだからって気を抜かないように。それでは今日はここまで。さようなら」

連絡とは言ってもその程度で、あっという間に終わった。

しまった。奏多さんに迎えにいてもらうまでまだ1時間もある…。

図書室行こうかなぁ。とりあえず荷物を片付けていると、ちょんちょんと肩をつつかれて横に視線を向けると、やっぱり高崎さん。

「さっきからごめんね。よかったら一緒に帰らない?方向同じかな?」

「…」

ま、まだ諦められてないとは…。そんなに目立つかな。

でも、断るしかなくて首を横に振ると、項垂れられてしまった。

「名前だけでも、教えてくれないかな?ほら、お隣さんだし助けてもらうこともあると思うんだ」

なおも食い下がってくる高崎さんに意外と図太い?なんて思いながら、折れるしかなくて、タブレットに名前を打ち込んで見せると、嬉しそうな顔をされる。