もちろん膨れた琴音ちゃんの頬。暁はバカとか言いながらもどこか嬉しそうに見える。

花火を終えて、何となく空を見上げる。

満点の星空が広がっていて、星の区別なんか分からない。

「ここの景色だけは変わりませんね」

「そうだね…。初めて見たときは流石に驚いた」

「コクコク」

そこで会話が途切れたけど、しばらく星を眺め続けた。

暁と琴音ちゃんが何を考えているかは分からなかったけど、その沈黙は決して嫌なものではなかった。

「さてと、戻ろうか」

「奏多さん、片付けやっといてください」

「えー。そこは手伝ってくれるとこじゃない?」

「さっきの罰ゲームの意味なくなるじゃないですか」

「ふんっ!」

そんな下らないやりとりも、琴音ちゃんがバケツを持ち上げたことで終了。

もちろんバケツを取り上げて、何だかんだ言いながら3人で片付けをする。