「完成だね」

「コクンッ」

「ケーキってめんどくさ」

チョコペンで何とか書いたhappybirthdayの文字。それを書き終えてようやく準備完了です。

奏多さんと暁くんはそれぞれの反応をしながらも、その顔はやり遂げたと言うように少し晴れやかだった。

「“手伝ってくれて、ありがとうございました!”」

「…別に。暇だったし」

「久しぶりに琴音ちゃんといれて楽しかったよ」

照れ隠しをする暁くんと、嬉しいことを言ってくれる奏多さん。

いつも通りの2人に、また安心してしまう自分がいて、勝手に笑みが浮かんだ。