そんなことをしていると、ガチャっとドアの開く音がして、そちらに顔を向けると季龍さんが車から降りていた。

続いて降りようとすると、目の前でドアが閉まる。え?

「ひゅー。若やるぅ」

「?」

何がですか?伸洋さんの顔は完全に楽しんでいて、首をかしげると、私が乗っていた側のドアが開いた。

「琴音、行くぞ」

「!!」

ドアを開けてくれたのは季龍さんで、おまけに手まで差し出されてる。

あり得ない。使用人として失格だ。

うなだれながらも、差し出された手に手を重ねると、力強く引っ張られ車の外に出た。

明日からは私がやる。せめてドアの開け閉めくらい!!

「ぎゃぁぁあああ!!!」

「!?!?!?」

な、何!?前を見ると、女子生徒がまるでアイドルの出待ちの如く並んでいた。

なんだこりゃ!そして並んでる女子本当に高校生!?

化粧すごいし、制服気崩し過ぎて同じ制服のはずなのに全然同じに見えない。