「♪」

「…」

テストが終わり、全部が返却されました。ついでに順位表も。

教室が喜びと絶望という正反対の空気が入り交じった気持ち悪い状態ですが、私は喜びの方です。

宣言通りやってやりました!全教科満点!もちろん学年1位!!

やったね!今までこんなことできなかったからすごく嬉しい!

奏多さんに誉めてもらおう。大事に順位表をかばんに入れて、屋敷に戻るのが楽しみでうずうずする。

「ミスがある人はいない?…なら今日はここまで、さようなら。気をつけて帰ってね」

先生の言葉に立ち上がる生徒たち。

やった早く終わった。荷物を詰め込んだかばんを持って季龍さんに近づくと、呆れたような顔をされた。

「1位…だな」

「コクコク」

「…奏多に抱きつくんじゃねぇ」

え、また…?首をかしげると、手首を捕まれて引っ張られる。

先を歩く季龍さんの背を追いかけながら、また首をかしげる。