どうしよう。奏多さん傷つけちゃった…。

そわそわしていると、突如頬に激痛が走る。

「!!?」

「琴音、座れ」

横に視線を向ければ、指に軟膏がついている暁くんがいる。…諦めてない?

じりじりと後ずさるけど、暁くんはその場に座って私を睨む。追いかけられることも捕まえられることもない。

「琴音、座れ」

「…コク」

怖い。静かにぶちギレてるよ、暁くん。

そんな暁くんに逆らう勇気はなく、暁の前に座り、ものすごく乱暴な手付きで手当ては終了。

私が畳に倒れたのは言うまでもない。

でも、そんなことしている時間もなく、慌てて台所に行って夕食の仕度を始めた。