「突然ごめんね。私、結城 麻琴(ゆうき まこと)。麻夏の双子の姉です」

突然自己紹介をしてくれた女の子は好意的な笑みを浮かべて手を差し出してくる。

握手かな。手を握り返すと麻琴さんは満面の笑みを見せてくれる。

双子だと言うけれど、そんなに似てないなと言うのが第一印象。麻琴さんの方が少しだけ背が高くて、鼻が高く目が小さい。

麻夏くんが静かなら、麻琴さんは結構賑やかなタイプだったはず。

図書室まで追いかけて来たみたいだし、何のようだろう。首を傾げると麻琴さんは急に真顔になる。

「昨日は麻夏のせいで怪我をさせてしまってすみませんでした!」

「!?」

突然の謝罪に肩が跳ねる。深々と頭を下げる麻琴さんに慌てて頭をあげてもらえるように肩を叩く。

頭はあげてくれたけど、申し訳ないと言っているような表情になんと声をかけたらいいか分からない。

「本当にごめんなさい。麻夏勉強のことになると誰彼構わず聞きに行っちゃうの。それだけならまだしも、相手を怒らせるようなことも言うから…って、麻夏!あんたも謝りなさいよ!!」

矢継ぎ早に話す麻琴さん。…うん、やっぱり麻夏くんとは似てないかも。