翌日。

学校に行くといつもの騒がしさはなく、異様なくらい静かだった。

昨日の騒ぎが他のクラスどころか学校中に知れ渡っちゃったらしい。

そのせいか、季龍さんに媚びる女の子も、私の悪口が飛んでくることもなくて気持ち悪いくらいだ。

そんな静かな学校で時間は過ぎ、お昼を食べ終えた頃には暇になってしまった。

昼休みが終わるまで30分はある。

うーん。…そうだ!

確か図書室が2階にあるはず。相変わらずテレビも新聞も読んじゃダメって言われてるけど、小説や映画、ドラマならいいって言ってくれたもんね。

自分で好きなの借りてこよう。

お弁当箱を片付けて、立ち上がる。隣の席の季龍さんの視線を受けて、言っとかないといけないことを思い出す。

『図書室に行ってきます』

「…すぐ戻ってこい」

少しだけ渋い顔をされたけど、許してくれる。…早く戻ってこよう。

急いで立ち上がって、少し早足で図書室を目指して廊下に出た。