「ことねぇ、お兄ちゃんがごめんね」
「?」
「私、ちゃんとお手伝いするし、悪いことしないからここにいて」
「??」
え、何の話?
梨々香ちゃんの顔を覗くと、今にも泣き出しそうな顔をしていて、固まった。
すると、梨々香ちゃんの目はさらに涙がたまっていってしまう。
「ことねぇどっか行っちゃったらやだぁ!」
「!?」
固まっていたら勘違いされたらしく、泣きながらしがみつくように抱き付かれた。
勢いに負け、畳の上に転がっても梨々香ちゃんは離れず、大声で泣き続ける。
と、とりあえず、梨々香ちゃんの頭を撫でるけど、更に泣き叫ばれてしまい、どうすればいいのか分からない。
梨々香ちゃんが落ち着くまで抱き締めたり頭を撫でたりを繰り返し、ようやく落ち着いたときには梨々香ちゃんの目は真っ赤になってしまっていた。