「これ教科書と、とりあえずノート10冊あるから、足りなかったら言ってね。あとこれ筆記用具。森末たちが合格祝いって買ってきたから気に入らなかったら燃やしてしまえ。こっちが体操服で、これが夏服。まだ冬服だからこっちは閉まっといて。んで、これが…」
一切休みなく続く説明に混乱している場合なんかじゃない。そして、途中なんか酷いことをさらりと言っていたような。
怒濤の説明は続き、袋の中身が全部なくなる。
「よし、終わり!ここちゃん今日の時間割りは…」
まだ終わってなかった!!
言われた教科の教科書と、とりあえず5冊ノートをまとめてスクールバックに押し込めた。
「よし、準備いいね。あ、そうだここちゃんにおこづかい…」
まだあるの!?
伸洋さんはズボンのポケットからかわいいねこのマスコット型の財布?小物入れ?を出すと、はいっと渡される。
思わず受け取ると、今度こそ立ち上がった。って、もう行くの!?


