16歳の初日俺は運命的な出会いをした。
今までは運命だの、奇跡だの小説や漫画だけの話だと思っていた。

俺は4月2日生まれで同じ学年でも一番初めに年を取る。
この日は高校の入学前にクラス発表の日だった。
地元の高校で同じ中学の子が多い。
新鮮さがかけていてどうでもいいと思っていた。
クラスには幼馴染の平岡 奏多(ひらおか かなた)が居た。
「ゆうちゃん、同じクラスだよ!!!これで俺の高校生活も安泰だわ」と笑顔で奏多が言う。
「高校はまじめに勉強しろよ、ぜってーテスト前たすけてやんねーからな!!」
「なんでだよ、いいじゃんかゆうちゃん~」と女子みたいに腕にまとわりついてくる。
「なんか男子同士でじゃれてる、やだ~ホモなんじゃないの~」と俺らの子ことを馬鹿にしているのがよくわかった。
「おい、ブス!!ほもじゃねぇ~よ」と奏多が勢いよく言った。
「なんなの、いきなり!!」と女子がこちらを向いた。
いかにもぎゃるって感じの女の子二人組で俺はちょっとこわさを感じた。
「奏多、よせよ」と俺は奏多の腕をつかんだが奏多は腕を振り払った。
その勢いで俺は後ろにいた女の子に俺はぶつかった。
その子は壁に思い切りぶつかってしまった。
「ごめんなさい、大丈夫?」
「・・・。いてて」と女の子は下を向いたままだった。
俺はやばいと思い彼女の近くに行った。
彼女は恥ずかしそうに顔を上げた。
こんなに可愛い子がこんな田舎のショボい学校に居るのか?と思った。
栗色の長くてふわふわの髪、ミルクみたいな白い肌、くりくりで大きい目。
俺は見とれていた。
「あ、あの・・・。」
俺は彼女の声に我に返った。
「あ、ごめんね?怪我とか平気?」
「平気・・・。」と立ち上がろうとしたが足を痛めていたようで立ち上がれなかった。
クラス発表のために来たし教師も近くにおらず俺はその子の家まで送ることになった。
名前は二階堂 心優 (にかいどう みゆう)
親の都合でここに昨日引っ越してきたばかりらしい。
俺の家から徒歩5分のきれい目のアパートに妹と一年間は二人で過ごすようだ。
「もう、平気。わざわざ遠いのにありがとう。矢島君がいてくれて助かった!学校から家までちょっと自信なくって。」とほほ笑んだ。
「夕陽(ゆうひ)でいいよ」
「わかった、私のことも心優でいいよ」と少し仲が深まった。