先のことはわからないけど……

今……幸せ……かも……

今まですれ違ってた
逃げ場のない……想い
ゆくえは……
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美緒が家の掃除をしていると、誰かがやってきた。え……まさか……もう会うことはないと思ってたけど、会いにきてくれてうれしかった。迷惑かけたのに……バカみたい。うれしい……なんて

「逃がす気はないから、もう逃げ回るのはやめたら?」
「お見合いするんじゃなかったの?」
「うん、させられたね。」
「だったら……」
「断ったけど……ね」
「え……」
「会社のためにとかありえない。いなくなってしまったけど、彼女だけなんだ。一生に一度の恋だった。」
「ママのことを……そんなに好きだった……んだ」
「浮気をするような男と一緒にするなよ。美緒も、いつかそんな恋をしたら、わかるよ。」
「でも、会社のことは……?」
「会社の犠牲になんかなりたくないね。そんな会社いらない。だから、会社も辞めて、美緒を探し回ってた。」
「私のせいで、そんなの間違ってる」
「間違ってなんかない」
「でも、まだこれから……」
「これからなんか関係ないんだよ。今、俺がしたいことをする。今、幸せになりたい。今までの仕事を無駄にはしたくないから、会社を作ることにしたんだ。まだまだこれからだけど、手伝ってくれないか?」
「私でいいの?」
「美緒がいい。違うな。美緒じゃないとダメなんだ。」
そんなに私のことを気にかけてくれてたの?

そこへ、兄が帰ってきた。
「お前……何しにきたんだ」
「美緒に会いにきた」
「美緒を追い出したくせに……ふざけんな」
「母が、美緒にひどいことを言ったのは、申し訳ないと思う。でも、俺は追い出したりしない。」
「お願いだから……やめて……」
「美緒……美緒はこれでいいのか?」
「私は……信じてるから……会社を始めるなら、手伝ってあげたい……」
「会社……?」
「会社作ることにしたんだって……」
「そうか……なんでもいいから、幸せでいてくれよな。」
私は……すぐに答えられなかった。私の幸せ……って……
「うん……でもね……まだ家は見つかってない……の」
「それは、ここにいればいいよ。」
「でも、そんな……迷惑かけられないよ」
「会社作ることにしたって、まだまだ大変だろ?それなら、ここにいればいいよ。仕事が順調になったら、その時考えればいいよ。」
「また、うちにきてもいいよ……」
「会社作る時に、美緒までいたら、大変だろ……ちゃんと考えろ……」

なんとなく……未来が見えてきた……ね