ピンポーン

「はーい。」
来客を知らせるチャイムがなり、お母さんが私を見て含み笑いをしてから玄関へと向かう。
「彩月ー。」
お母さんが玄関に向かって少したち、お母さんが私を呼んだ。
その声はいつもよりもほんの少し高くて、少し面白かった。

玄関に顔を出すと、白いマフラーを巻いた優がいた。
優の白い肌と白いマフラーはなんだか合っていて、昨日とは違った印象だった。
「おはよ」
そう言う優は眠そう。

コートを来て、鞄を持つと始終ニコニコしているお母さんに家を追い出された。
家の前には、昨日見た高級車が停まっていて、すぐそばにスーツの男が立っている。
私と優が出てくると、スーツの男は車に乗るように促した。