「春女で一般人っていうのは、世間から見るとお嬢なんだって」
「違うよー」
顔の前でぶんぶん左手を振るが、全くと言っていいほど説得力がない。
「俺も違わないと思う」
「ハユくんまで?!」
パンにかぶりつこうとしたら、もんの凄い勢いでびっくりされた。
その勢いに、俺まで驚いてまさに齧る寸前で止まってしまった。
うあー、びびった。
「ほら、一般人の反応はこうなんだって。ちなみにいつから?」
「中学から」
チィは子供用みたいに小さい箸を取り出し、それで器用にご飯を掴んで口に入れた。
箸を持つその手も小さいんだと、知った。


