「「全然」」

「あ、そっか。あのね、お弁当箱の裏に書いてあるんだよ」


 チィは弁当箱を高く持ち上げ、底を指差す。

 覗き込むと、インクではなく凹凸で書かれた文字で物凄く読みにくかったが、確かに上下段の容量が書いてあった。


「へー、こんなんあるなんて知らんかった」

「いつも見て買うの?」

「うん。見た目と容量っていまいち比例しないから」

「確かに」


 凄く嵩張るくせにあまり入らなかったり、見た目では小さいと思っていたら意外と大量に入ったり。

 そういう経験は、確かにある。