「そうでもないよ? 1段にちゃんと190ml入るもん」


 てきぱきと蓋を外されセッティングされていく弁当箱。

 おままごとをみているようだ。


「190ml?」

「うん。……あれ、容量表記知らない?」


 ふと手を休め、伺うような上目遣いで見てくる。


 上目遣いなのに黒い部分が多くて、黒目大きいんだなという凄くどうでもいい思考を頭から追い出した。