【溺愛症候群】




「なー、飯にしようぜ、飯ー」


 智はいつのまにか机の上を片付け終わっていて、いそいそとコンビニのビニール袋を取り出した。

 そういえば、今は昼休みだったっけ。


「そうするか。チィはどうする?」


 席に戻って鞄を持ったチィに、俺は声をかけた。


 入学してまだ3日。

 皆が皆、弁当を一緒に食べる仲の良い奴を見つけたとは思えない。


「えっ、私?」

「うん、そこの私」


 いきなり指名されて、チィは丸めの目をさらに丸くした。