「なんか悔しいから、やきもち妬いていい?」 智がシャーペンを不貞腐れたように、少し乱暴にペンケースに突っ込むのを見て、ちょっと遊びすぎたと反省した。 「冗談。これくらいで男に妬くな」 智の頬に人差し指を突き立て、ぐりぐりと押しながら回す。 爪は切ってあるから痛くないだろうけど。 「ひゃひぇりょ」 これをやられると、指が頬を押して半端な発音しか出来ない。 力を加減すれば、痛くなくてくすぐったいだけだ。