「……眠いね」
小さな声で、少しとろんとした目で笑う篠沢。
ベージュのカーディガンの編目の奥から見える、カーディガンより白い肌。
「うん、やばい」
奥の肌から少し目を逸らすように、笑い返した。
「コレ食べる?」
シャカ、と教授に見えないようにタブレットを見せた。
「いいの? 助かる」
あれくらいの刺激があれば、一時的にでも眠気を遠ざけれる。
今はとにかく、眠気をなくして講義を聴くのが最重要課題だ。
俺は通路に低く手を伸ばし、同じく低く手を伸ばした篠沢からケースごと受け取った。
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