「ハユ……俺さぁ」 立っている2本の指を、曲げたりのばしたりしている。 俺は、やっぱりな、と心の隅っこで思ってた。 「うん」 智が班長になるって。 「いっつもここ一番って時に、ジャンケンで負けてない?」 本人はようやく気付いたみたいだが。 「うん。勝負運ないよな」 何かの責任者を決める勝負に、智は勝ったためしがない。 知り合う前からそうらしいし、たぶんこれから先も智が勝つことはないのだろう。 他のことはそつなくこなせるのに、責任者を決める勝負に関してだけ、神に見放されていた。