驚くほど真っすぐな黒髪が、今時珍しい。

 黒髪に挟まれて見えた、射竦められるような強い眼力に一瞬怯む。


「香田です」


 その後の子のはあまりにもシンプルで、一瞬空気がぽかんとなった。


 ある意味潔い。

 潔すぎる気がしないでもないが。


 その香田という子があまりに印象的すぎて、後の2人がいまいち頭に入らなかった。


 もともと人の顔と名前を一致させて覚えるのは苦手だが、残念ながら今回の班は半分くらいしか覚えれそうにない。


 実際問題、男子のは聞いてなかったし。


 ……ちょっと、不安な班だ。