「あぁ……さっきぶつかったときの、か」


 白色は限りなく素肌に見えたけど、ちゃんと化粧しているんだ。

 そんなことを考えながら手で払ってみたが、落ちない。


 落ちる気配、なし。


 その頑固さに闘争心みたいなものが触発されて、ジャケットを脱いでこすってみた。


 半端に薄くなって、少しのびた。


「……ご愁傷さま」


 ちーんという効果音が、聞こえた気がした。