肩からタオルをかけたままドアスコープを覗けば、少し俯いてるものの見知った顔で、手早く鍵を外して扉を開けた。


「チィ、どうしたの?」


 夕飯の時に話していたように赤いセルフレームの眼鏡をかけたチィがいる。

 お風呂に入った後なのか髪は少し濡れていて、服もラフなものの上に大きめのカーディガンを羽織っていた。


「あっ、あのね。ケータイ……ひゃっ」


 困ったように眉を八の字にした顔を持ち上げ、目が合う前に小さく悲鳴を上げて目を逸らされた。


 …………凹む。

 俺、何かしたかなぁ。