(嫌!あたし!)

(このまま流されていってしまうの!?)

(誰か、あたしを助けてください!)

川の流れは穏やかでは無く、千弦は少しでもそこに留まろうと、流れに逆らうように手を動かした。

しかし、かなりの距離を流されたうえ、叫び続けていたので、体力は限界に近づいていた。

『あ!』

とうとう力尽きて、手をダランとたらし、そのまま流された。