頬をつたって次々に流れる涙を裾で拭う。

私の袖は、濡れに濡れて、色が脱色してしまっています。

あゝ。
この気持ち、この苦しみを、味あわせてやりたいのに。

駄目ね。
私は、幽霊なのよね。

死んで、私には体が無いし、母様には見えないのだから。

不便ね。
幽霊は。