刃が何かに刺さる音がして、千弦は閉じていた目を開いた。

『千弦………姫…………』

そこには、千弦をかばって負傷した少年が横たわっていた。

『嘘!』

肩を掴んで、体を揺らしてみても、反応がない。

『……………冷た。』

少年は、もう、冷たくなっていた。
つまり、死んだ。

『嫌………………』