人間刈り 華は馨り、散って逝く

『おはようございます。』

『あ、もう、朝なのか。』

鳥の声がして、戸の隙間から、明るい光が漏れている。

『朝ごはん、作っておいたので、どうぞ、お召し上がりください。』

『それはそれは、有難うございます。』

相変わらず少年は千弦に対して敬語を使っていた。
千弦は、それを堅苦しいと思っていた。
けれど、もののけ姫と言われるよりマシだと、思った。